まだ、話終わってなかったの…?

もういい加減、鬱になってくる。


「何?」


そんな想いとは裏腹に、にっこりと笑みを作りながら、顔だけレイに向ける。

その途端、ずいっとレイの綺麗な顔が近づいてきた。



『ここだけの話、あの漫画、描いたのあたしなの♪ 学校に秘密で漫画家やってるのだっ』



後ずさる私の耳元で囁かれた言葉に、思わず固まってしまう。



「は……?」


にまにまと笑うレイをただひたすら見つめる。


漫画家…?


その職がよく分からない私でもどれだけ、凄いことか分かる。



開いた口がふさがらないっていうのは、まさしく今の私のことだろう。