無意識で零を探し見つめる目。


無意識で零の声を求める耳。


無意識で必要以上に零だけに動く口。


無意識で零の香りを覚えていた鼻。



心も身体も零を必要としてる。

…これが恋ってものでしょう?



3年前、私の執事になった零。


いつ、こんなに変わってしまったの?
初めは目障りなくらい嫌いだったのに。



でも、今は……


「零が…好きなの……大好きなのっ!!」



何も答えず私をただただ見つめる零に、何度も何度も伝える。

もう涙のせいで、零がどんな顔をしているのかも分からない。



「お嬢様……いや、朱里様」



優しく耳元で響いた零の声。

吐息がかかるくらいに近い顔。