カーテンの隙間から差し込む光。
時刻は、既に7時を回っていた。

朝は時間が経つのが本当に早い。



「お目覚めの時間ですよ」



そう軽く声をかけ、カーテンを開ける。



「ん~…眩しいわよ~…馬鹿零ぃ」



目を擦りながら、身体を起こすお嬢様の両頬をつまむ。

一瞬にして、鬱そうにブスくれたお嬢様。



「にゃによ?」



マシュマロのように柔らかい頬をむにむにと揉んだり、伸ばしたりすると、だんだん顔が赤らんでいった。



「離しにゃさいっ!」



我儘で、素直じゃない主人。
執事も楽じゃない。


それでも楽しいと思えてしまうのはこんな時間があるからですかね。
それがなきゃ私はとっくに辞めています。


まぁ、お嬢様のお近くにいられればそれはそれでいいですが。


なんて。