「零くんのフレンチトーストは俺にでもマネできないよ~っ」
お嬢様がお嫌いな肉を赤ワインで焼きながら、笑みを浮かべる平丸シェフ。
肉を引っくり返すたびにお腹の肉もぽよよんと揺れる。
そんな彼に苦笑いを浮かべるも「有難うございます」とにこやかに言った。
お嬢様が大好きなフレンチトースト。
あとは、ハチミツをビンから出して……と。
「私、用意が終わったのでお嬢様の所へ行ってきますね。後はよろしくお願い致します」
平丸さんに厨房をまかせ、次はお嬢様のお部屋へ。
ギィィ…
ドアを静かに開け、お嬢様が眠るベッドへと直行する。
そして眠りこけるお嬢様をしばし観察。
「にゃふんっ! 嫌じゃっ」
寝言が多いお嬢様なのです。
寝言を聞かないと、朝が始まった気がしません。
それにしてもなんの夢を見ていらっしゃるのでしょう?
「ぅん……零?」
声を漏らしたと同時にうっすら目を開いたお嬢様。
自分から起きるとは珍しい。
「何でしょうか」
にっこりと笑みを浮かべながらお嬢様を見つめた。



