.+・* あのときの零ちゃん Ⅲ *・+.


【朱里を車から降ろしたとき】



『1時には迎えに来て頂戴っ!』


お嬢様の、”本当は心細いのにそれを隠そうと強がっている”ことがバレバレな姿が頭から離れない。


そんなことばかり考えている、一人寂しい帰り道。

お屋敷へと車を走らせる。


頭の中でリピートされるお嬢様の言葉、姿。



「まったく…世話のかかるお嬢様ですこと」



ふ、と出るのはため息ではなく…笑み。


意地っ張りなお嬢様だからこそ

調教……否、躾のしがいがあるのですね。



それにしても、1時。

早すぎではありませんかね?


今は、12時過ぎ。


まぁ、学校に出向いてくれただけありがたいと思うようにしますか。
泣かないで帰ってくると、いいのですが。


私め、少々心配でございます。




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