なんだか、最高にいい気分。
零にこんな顔させられるのは、きっと私だけ!
「どうでもよくなった、の方が正しいけどね」
「そう…でございますか」
クスクスと静かに笑い始める零。
静かに、妖艶に、甘美に響き渡る笑い声。
な……
「な…何よ?」
「いえ、なんでもございません」
にんまりといやらしく光る唇。
獲物を狙う獣のような怪しい瞳。
彼のすべてに、釘付けになる。
嗚呼、改めて思う。
こんな男と一緒に暮らしてたら、気がおかしくなることも仕方ない。
正常でいられる人なんてきっといないわ。
きっと、みんな私のようになるはず。
大丈夫。私は、”普通”よ。
睨むように見つめる私に、零は淡々と告げた。
「早く学校に向かわないと。もう3時限目は終わっていると思われますが…」



