ふわっと零の香りが染み付いたシーツが揺れたと思うと、鍛えられたたくましい腕が私の背中に回った。 すっぽりと零の腕の中に身体がおさまってしまう。 零の一つ一つの仕草に翻弄されてしまうのは、昔から変わってない。 「朱里…」 私の名前を呼ぶ、甘い甘い掠れた声。 『お嬢様』って呼ばれてたあの頃が懐かしいくらい定着している。 「何?」 前髪を長い綺麗な指に分けられて、水がポタリと落ちるみたいに軽く落とされたキス。 ・ 。 + ・ ・ 。 * ・ 。 + ・ 「誕生日、おめでとう」