ガラス越しに見えたのは、凛と立つ零の姿。
いつもと違う雰囲気にドキドキと心臓が高鳴っていく。
いつの間にか部屋に入ってきてたらしい。
零に気づかないほどの、綺麗な夜景にもう一度目を向けながら言う。
「何勝手に入ってきてるのよ。零も部屋に戻ったら?」
一人でドキドキしてる自分に腹が立って、素っ気なく言い過ぎてしまった…ような気がする。
零は部屋を出るどころか……
静かにあたしに近づいて、
ぎゅっとあたしの身体を大きな腕で包み込んできた。
「零……?」
今日の零はいつも以上に分からない。
「朱里様」



