零の横顔を見つめながら聞くと、指差す先には高級ホテル。 お父様が経営しているホテルだ。 ………ホ、ホテル??? い、いや…… やらしいホテルなんかじゃないからいいけど…さ。 家に帰らないの? もう外の散歩は終わり? 「零……っ」 ピタリと足を止める。 零もあたしに合わせて歩くのをやめ、首を軽くかしげた。 「なんで…ホテル?」 「なんでって……豊様がスイートルームを私たちのために貸しきってくださったのですよ」 お父様が?? でも貸切って…… 「零と……2人っきりで一夜過ごすってこと?」