あ、もう終わりなの。 全然余裕だった。 そう思っても、身体は嘘を付けない。 冷や汗が止まらない。 やっと終わったという脱力感から、立てないし…… 「どうしました? お嬢様?」 「ぃや……別に」 ぐらつく身体を起こして、零の手を握りしめる。 手……握ってれば、倒れそうになっても平気よね。 「そうですか…? ならいいのですが」 ゆっくりと歩き出した零。 零はあたしの歩幅にあわせて、ちゃんと隣を歩いてくれる。 些細なことに幸せを感じた。 「あ、零……次はどこ行くの?」