薄暗い天井が高い部屋。



隣に零。



肩が触れてしまうかしまわないかくらいの近くて。

でも遠くて……


なんだかもどかしい距離。



綺麗な横顔がうっすらと見える。


そして大きなスクリーンには……

白い顔をした髪の長いこの世の人でない女の人。


目をそらしてしまいたくなるほど怖い。




だから、零を今まで以上に穴が開くほど見てるんだけど。



『わざとこの話にしたでしょ?』



ポーカーフェイスでスクリーンを見つめる零に小声で問いかける。

思わず悲鳴を上げてしまいそうなシーンがあっても、一ミリも動かない。


そんな零に恐怖を通り越して、感動さえ覚える。



『コレ、見たかったんですよね』


見たかったって……

普通は、純愛ストーリーを見るものじゃないの??


それなのになんで……こんなっ!!!