「なんで手を繋ぐのは恥ずかしくて、好きと言うのは恥ずかしくないのですかね?」



ふっと優しく笑う零。



「どっちも恥ずかしいわよ…」



そんな零に頬赤らめながら、そっぽを向く。

繋がれた手。


幸せで……

温かくて………



胸が張り裂けそうに熱くなる。


零……



そっと零を見つめたつもりが、バッチリあってしまった視線。



「そのお顔は、反則ですよ?」



苦虫を潰したように笑う零の影が、あたしの影に覆いかぶさり…
ちゅっと音が鳴りながら触れた唇。



……何が反則よ!!

火照る顔を隠すように下を向く。


クスクスと零の笑い声。


ムカつくくらいに心地よく、あたしの中に響いていった。