わざとらしい、甘美な吐息。


「にゃ………っ!?」

「赤ん坊の次は、食いしん坊ですね」


小さく吐息みたいな、甘く、低い声。

おまけに、またクスクスと馬鹿にしたような小さな笑い。



「誰が…食いしん坊っ!?」



席を立とうとすると、零の人差し指が強い力で頭を押すことによって立つことが未遂で終わった。



「お食事中でございますよ」



余裕たっぷりの笑み。
隙なんてイチミリもない。


そんな彼に返す言葉など見つからなかった。


「ふん…っ」


言葉を探すをやめて鼻をならす。

何もなかったように、私は蜂蜜をたっぷり吸ったフレンチトーストを口いっぱいに頬張った。



……ん~~~っ! 幸せ!!

私は、あのお肉大好きおデブちゃんシェフが作ったフレンチトーストがあればいいわ。
生きていける。


どんなに肉を出されようと生きていける。