「ねぇ……零。行きましょ…」



一刻も、この場から早く去りたい。


怖くて、

憎くて、

苦しくて……



「れ……零?」



すっと零はあたしの前を素通りし、あの人の横に立つ。


何で?

何で……

零……??



「何でよっ!!?」



「申し訳ございません」



にやにやと下品な笑いを浮かべるあの人の隣で頭を下げる零。

涙で視界が揺れる。


あたし……

零に裏切られたの??