「風邪薬…出しておくからねぇ。あぁ…一日3回、食後ねぇ」
そうまたゆったりとした眠くなる口調で、零に震えた手で薬を渡していた。
そんな光景に笑ってしまいたいんだけど、笑う気力も、もうない。
メイドの亜美に支えられながら、部屋を後にした先生をにこやかな笑みで見送る零。
零の一挙一動をただひたすら見つめた。
……バッグの中にしまったままのプレゼント。
どうやって渡そうかな。
もう普通に渡しちゃっていいかな?
「お嬢様……」
零は視線に気づいたのか、少し首をかしげながらにっこりと笑う。
そんな素振りにいちいち苦しいくらいに胸が鳴ってしまった。
「ぁ…の、バッグとってくれない?」
鉛をつけたように重い身体を起こしながら、声を振り絞る。



