「もう少しでお医者様が来ますので。安静に寝ていてください」 おでこが零の冷たい手に覆われる。 あまりにも冷たくて…… でも、気持ちよくて。 ゆっくり目を閉じた。 零の手が離れると同時に、目を開ける。 もっと触ってて欲しいのに…… でも、声を出すことすらできない。 「では、ちゃんと寝てらしてくださいね」 もう行っちゃうの? そう思ったときには、部屋を出ようとした零の服を掴んでいた。 「どうなさいました?」 妖艶な笑みを浮かべる零を見つめながら、声を振り絞って言う。 「ぃ…かな…いで」