二つの恋

ガラガラッ。
誰かが入ってきたみたいだ。
私はドアの音で目を覚ました。










『桜ちゃん。体調どんな感じ?』



その声は琢磨くんだった。


「大丈夫だよ。それより私を保健室まで連れてきてくれてありがとう。」




『ううん。それぐらいかまわないよ。』
琢磨はニコニコして言った。



「重かったでしょ。
絶対!」

私は少し顔を赤らめて言った。



『全く。逆に細すぎるくらいだよ。』


チュッ…。

えっ…!
『じゃあ帰る時迎えに行くから。』


ガラガラッ。
琢磨は教室へ戻っていった。