「ねぇ…翔太」 「…何?」 「『ちっちゃな強がり』って、思ってるの?あたしの事」 座るベンチの周りには、誰もいない。 あたしは真っ直ぐに向けた目を、翔太にぶつけた。 「好きだよ、美咲が」 半ば諦めたように言う翔太は、どう見たってかっこよくて。 あたしは何故か、泣きそうになる。 翔太の事、あたしだって好きだよ。 強がりなんて言われたのは癪に障るけど、この際何だっていいよ。 許してあげる。 あたしだって、同じみたいだから。