紅蒼ノ魔女(仮)

って一体何を言っているんだ、僕は。


もし話してしまったら、巻き込んでしまう可能性大なのに。


あっ、話さなくても巻き込むか。


戦争のせいで結婚式が潰れるーってなるかもしれないし。



「俺は聞きたい。

真実を知りたい。」


「…そう。

何があっても僕は責任は取らないよ?」


「構わない。」



本当は構うべきことだよね、王子様?



「わかった。

これからはリーシィだけじゃなく、君も呼ぶことにするよ。」


「姉さんも関わっているのか?

…魔女関係なら真っ先に俺に教えてほしかったのに。」



拗ねているのか?


いやー、今日はついている。


サイリの表情がこんなにもコロコロと変わることが知れた。


それを見るのは意外と面白い。



「姉弟揃って心配性ってことかな。」


「何か言ったか?」


「何も。」



それから食事を終えてサイリは自分の部屋に帰って行った。



「僕が魔女だってことは、話さないでおこう。」



戦争のことも、だ。


サイリもきっと迷っているから。


自分がどうするべきかを。


どうしたいか、で良いことを知れればいいんだけど。


わかっているのかもしれない。


それでもどうしても王子という立場が邪魔をする。


邪魔とは思っていないか。


…リーシィにも今日のことを言っておかないとな。


そういえば、今思ったけど。


サイリと話をする、つまりサイリの近くにいることが多くなる。



「うわぁ、絶対シュリアが絡んでくるよ。

面倒だぁー。」



まぁもしそうなったら適当にあしらおう。


よし、そうしよう。



『カイヒ様、もう戻ってもよろしいでしょうか?』


『あぁ、ゴメン。

もう大丈夫だよ。』



セオのテレパシーに答え、セオが戻ってくるとすぐに寝た。


話は明日しよう。