しぶしぶといった表情で顔をあげる。



「僕は上下関係を気にしていないって言ったよね?

覚えてる?」


「はい…」


「もちろん、君がそれを守っているのは僕もわかってる。

だけどさ、やっぱり僕にはどうでもいいことだから、セオが気に病むことじゃないんだよ。」



本人が気にしていないのにセオがこんな状態になってしまう。


あぁ、なんだか罪悪感が…


……本当に僕は、橙魔女が、セオが護るべき存在ではない。


僕は平気で君達を敵にまわすことができるのだから。


僕には選択肢が沢山ある。


セオはそのことがよくわかっていないんだ。



「本当だったら君は、僕なんかのそばにいてはいけないんだ。

ましては護るなんて。」


「カイヒ様?」


「なんでもないよ。

とりあえずこの話はおしまい!

セオは悪くない、以上!」


「しかしそれでは私の気が…!」


「じゃあ今度橙魔女のところに一度戻って。

最近帰ってないんでしょ?」



黙り込むセオ。


実は適当に言ってみたんだけど。



「それは頂としてどうなのかな?

そっちの方が僕は失格だと思うけど。」


「……」


「頂として橙魔女達の様子を見てくること。

…君達も戦争の準備とかしてるんでしょ?」


「一応は。」


「今すぐ暴れ出されたりしたら困るからね。

頼むよ、セオ。」



それが君への罰だ。


小さく呟いた声は聞こえただろうか?


まぁ届かなくてもいいけど。


面白いを基準にして道を選択する。


こんな僕の選ぶ道は一体どんな道なのだろう?


セオとは戦いたくはないが、僕は面白い何かがあるなら迷わずにその道を選ぶだろう。


こんな僕を自分自身で怖いと思ったことが…ない。


いつも浮かぶのは笑みだから。


まわりから見たら、恐怖を感じるのだろうか?


感じたといわれても僕には関係のないことだが。