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「シナ、お前は何をしているんだ!?」
「…人間は平気で嘘をつく生き物です。
とくに魔女に対しては。」
「だが、しかし!」
「すみません。
セオリー様が人を消すことが嫌いなのはわかっています。
お咎めはあとで聞くので今はここを離れましょう。」
大きな煙があがったからいくら遠くても城の者が来てしまうかもしれない。
見つかることだけは避けなくては。
シナはセオリーの為ならなんでもできる奴だった。
彼女のためだったら消えることだって躊躇わない。
「シナのやったことは正しいことだったよー。
セオリー様だってわかってるでしょ?」
その言葉に頷くことも否定することもできないセオリー。
本当はわかっている。
だがやはり人間を消すのは納得がいかない部分もある。
やらなきゃ、やられる。
そんな状況ではなかったはずなのに。
話し合えばわかったかもしれないのに。
そんな考えが頭から消えない。
「セオリー様は橙魔女の頂の方です。
全ての橙魔女を引っ張っていかなければならないのですよ。」
そう、私は守らなければならない。
そしてみんなも守るためにも従わなければならない。
…紅魔女様達を。
犬の主も所詮犬。
橙魔女の頂にいようが、それより上がたくさんいるのだ。
「行きましょう。」
「…あぁ。」
そして未だあがっている煙で見えないが、おそらく倒れているであろうカイヒを気にしながら一歩目を踏みだそうとした時。
セオリーの身体が震えた。
セオリーだけではない。
シナもユラハも。
これは…恐怖…?
足がすくみ立っているのもきつくなっていく。
まさか…!!
おそるおそる振り返る。
すると、そこには。
所々から血を流したカイヒが笑顔で立っていた。
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「シナ、お前は何をしているんだ!?」
「…人間は平気で嘘をつく生き物です。
とくに魔女に対しては。」
「だが、しかし!」
「すみません。
セオリー様が人を消すことが嫌いなのはわかっています。
お咎めはあとで聞くので今はここを離れましょう。」
大きな煙があがったからいくら遠くても城の者が来てしまうかもしれない。
見つかることだけは避けなくては。
シナはセオリーの為ならなんでもできる奴だった。
彼女のためだったら消えることだって躊躇わない。
「シナのやったことは正しいことだったよー。
セオリー様だってわかってるでしょ?」
その言葉に頷くことも否定することもできないセオリー。
本当はわかっている。
だがやはり人間を消すのは納得がいかない部分もある。
やらなきゃ、やられる。
そんな状況ではなかったはずなのに。
話し合えばわかったかもしれないのに。
そんな考えが頭から消えない。
「セオリー様は橙魔女の頂の方です。
全ての橙魔女を引っ張っていかなければならないのですよ。」
そう、私は守らなければならない。
そしてみんなも守るためにも従わなければならない。
…紅魔女様達を。
犬の主も所詮犬。
橙魔女の頂にいようが、それより上がたくさんいるのだ。
「行きましょう。」
「…あぁ。」
そして未だあがっている煙で見えないが、おそらく倒れているであろうカイヒを気にしながら一歩目を踏みだそうとした時。
セオリーの身体が震えた。
セオリーだけではない。
シナもユラハも。
これは…恐怖…?
足がすくみ立っているのもきつくなっていく。
まさか…!!
おそるおそる振り返る。
すると、そこには。
所々から血を流したカイヒが笑顔で立っていた。


