書庫につくとそこには沢山の本が棚に詰まっていた。


上にある大きな窓から光が差し込んでいる。


この中から魔女の本を探すのか。


大変そうだな、なんて思っていたけどそうでもなかった。


魔女の本がひとまとめにして置かれているところは他の棚と比べて暗かった。


まるで存在を隠すように。


たまたまなのか、故意ににしているのか。


背表紙に、何も書かれていない本が並んでいる。


一々出して戻しては面倒だった。


それを繰り返しているうちにお目当ての本を見つけた。


タイトルは『魔女の戦争』。


そのまま過ぎたので簡単に見つけることができた。


早速開いてみると最初のページ目にはこう書かれてあった。



「『魔女は存在してはならぬ者

我らを死に導く者』、ねぇ…」



余程嫌われてますね、魔女は。


さてさて、一体何があったのやら。


ページをめくっていく。



『魔女達はクリフィナ国の草原で戦争を起こした。

その理由は蒼魔女と紅魔女の住む地の取り合いだったという。

敵対関係にあった2種族であり、戦争が起きるのはおかしくがないことだった。

住む地というのはその草原のことだった。

しかし、草原はクリフィナ国のものであり、魔女達のものではなかった。

人間達は自分達の地を守ろうとし、魔女に立ち向かっていった。

そして次々に命を落としていったのだった。』



なるほどね。


リーシィは巻き込まれたって言ってたけど少し違うみたい。


人間は自分から飛び込んでいったんだ。


本の埃のかぶりようからして随分と読まれていないことがわかる。



「他にもなにかありそうだな。」



魔女のことは人から人へと伝わっていってる。


事実と嘘が混じった話になっているんだ。



「この本が全てという訳でもない。」



他にも何冊かページをめくって、1時間もたたぬ内に書庫を出た。