「…で、これ僕が着てどうするの?」


「貴方のことをまだみんなに紹介していなかったから。

私の家族と…あと一人と食事するのよ。」



あと一人、って言った時の表情が嫌そうな顔をしていたところから考えると、おそらく昨日の婚約者だろう。


見た目、ではないかな、多分。


性格が悪いのかな。


気になったがまぁ今から会えるだろうからわかるか。


正直に言うと一緒に食事するのはすごく面倒なんだけど…


助けてもらってしかも魔女なのに突き返しもせず、優しくしてもらったんだ。


このくらいするのは当然のことだよね。


でも不安が…



「僕、マナーとかわからないけど大丈夫?」


「大丈夫よ。

私の両親は優しいから。」



それを聞いて安心した。


それから服を着替えリーシィと共に食事に向かった。




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「それじゃあ紹介するわね。

この国の王で私の父、ティスド・ウィンディア。

王女で私の母、ルミィア・ウィンディア。

そして弟のサイリ・ウィンディアよ。

この方達が私の家族。」



国王に王女…ってことはやっぱりリーシィは姫か。


弟は王子で、あの人が多分、王子の婚約者で…



「彼女が噂のシュリア・フレニィ。」


「噂のってどういうことかしら?」


「こちらの話だから気にしないで。」



お互い笑顔だけど僕には火花が見える。


ほら、バチバチッて。