紅蒼ノ魔女(仮)

「私は…私、は」


「うん。」



今までの迷っていた瞳ではない。


自分の道を選んで、進もうとしている瞳だ。



「私は、この戦争を止めたい。

どの魔女も、傷付かずに…」


「それは無理だ。」



だってもう、沢山の魔女が傷付いた。


自分から飛び込んで行った者、仕方なく魔道具を構えた者。


どちらも一応、巻き込まれた身だ。




「きっと、皆が戦っている理由を知らない。

ただただそうするべきだ、と思い行動している。

その中で傷付いた者は何人いた?」


「わかり、ません。」


「そう、わからない。

わからないくらい、いたんだよ。」



そして…


何人が思った?


何人が気付いた?


自分が何もわからないまま戦っているのは何故?



「倒れながらも各々の頂を守るため、立ち上がらなければと思う者もいたはずだ。

だけど確実に、迷いが生まれた者もいた。」



ちらっとセオから視線を外せば目に映る。


背を地面につけたまま動こうとしない者。


ただ空を見上げていた。


セオに視線を戻す。



「でも、これから傷付けないようにすることはできるよ。」



一瞬驚いた表情になったセオ。


その後に力強く頷いた。



「セオリー様!」



叫び声で気付く。


あまりに周りを気にしていなかった故に、氷風がこちらに向かっていることに気付くのが遅くなった。


危ないかなーと軽く思いながらもセオの前に立ち魔銃を構える。


防ぎきれないにしてもセオには当たらせない。


そして、魔弾を放とうとした。