紅蒼ノ魔女(仮)

「僕には守りたい大切な人達がいる。

もちろんそれは魔女なんかじゃない。」


「…人間か?」


「そう。

そのために、戦争を止めなければならないんだ。」


「なんで人間なんか…

あいつらは、魔女を敵視しているんだぞ?」



そう言っているのにクルはとても辛そうな表情をしていて。


あぁ、クルは本当は人間が嫌いではないのかもしれない。


そう思った。



「君も知らないんだよね、真実を。」


「どんな…」


「色々な。

…紅魔女と蒼魔女。

昔は仲が良かったんだよ?」



えっ?と驚くと同時に意味がわからないといった表情をする。



「嘘だ。

そんなこと、俺は、俺達は知らない!!」


「それは、君達の頂が隠してるからだよ。」


「そんな訳っ!」


「ないって言い切れる?」



そう問いかければ、クルは黙ってしまった。



「僕はある者からこの話をきいた。

もちろん、それが真実かはわからない。

だけど、他にも気になることがある。」



そこで一度話すのをやめる。


こんなに話してしまってよかったのか。


そうは思うが。


知って欲しいと思った。



「だから僕は、頂に全て話してもらうためにも、戦争の邪魔をさせてもらう。」



クル、君はどうするのかな。


じっと、動かないままいるクルを見て思った。



「ずるいことを言ったね。

こんなに言ったあとでなんだけど、君は君のしたいようにすればいいから。」



セオの時と同じ。


きっと僕の敵。


倒さなければならない。


本当は嫌だけど仕方がないのはわかっている。



「じゃあ、今度こそ僕は行くよ。」



クルから離れていくなか、僕は一度も振り返ることはしなかった。