紅蒼ノ魔女(仮)

「カイヒ!

ってクルクル?

なんか増えてないか?」


「気のせいじゃない?」


「そうか…?」



いや、でもなー、とかなんとか言って悩んでいるクル。


そこまで気にするところだろうか。


僕にはよくわからなかった。



「ってかその髪っ!!」


「随分と遅い反応だね。

気付いてくれないかと思ったよ。」


「まさか、お前魔女だったのか!?」


「まぁ、一応ね。」


「一応…?」


「細かい部分は置いといて。

何故君はあそこにいたの?」


「俺?

俺はなんか変な気配感じたから…

今思えばそれがカイヒだったのかもな。」



さっき散々魔弾放ってたしなー。


バレない方がおかしいか。



「でも何故この近くに?」


「戦争が始まるからな。

蒼魔女も移動を始めてるんだよ。」


「なら蒼魔女の頂はまだ近くにいるってことかな?」


「どうだろうな。

もう草原のすぐ側まで行ってるんじゃね?」



ならもう蒼魔女の頂には会えないか。


戦争を始める前に話せたら、と思ったんだが。



「そう。

じゃあ僕は行くよ。」



そういえばトラはどこに行ったんだろう?


なんて考えていると、後ろから敵意を感じた。


カンッ


クルの魔剣をなんとか魔銃で受け止める。



「僕の銃、本来はこんな使い方しないんだけど。」


「黙れ。」



さっきまでの柔らかい雰囲気は全くなく、クルが低い声で言った。



「何故君は僕を睨みつけてるのかな。」


「黙れと言っている。」



ふぅ、と軽く息を吐き黙る。


ただ剣を押し返そうとする力は弱めない。