紅蒼ノ魔女(仮)

「失礼ね。

私は健康よ。」



なら何故あんなことを言ったのだろうか。


今までのトラからは考えらない言葉だ。


「もともと私が巻き込んだだけだから。

だから、あまり気にせず楽しんでいいわよ。」



少し頬を赤くして言った。


あぁ、なるほど。



「つまり、励ましてくれているんだね。」


「はっきり言うんじゃないわよ、馬鹿!」



まぁまぁ随分と見た目も中身もまるくなったものだ。



「勘違いしてるようだから言っておくけど。

僕は不安になったからあの質問をした訳ではないよ。」



不安がないって言ったら嘘になるけど。



「ただ単に純粋にききたかっただけ。」



でもそうか。


面白いことが起きたら勝ち…


ならほぼ僕の勝ちだね。



「安心して。

僕は大丈夫。」


「カイヒ。」


「君に言われなくても楽しむから。」


「私が心配してるのはそこではないのよ…」



冗談だよ。


90%ぐらい。




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「やっぱりもう誰もいないか。」



以前、紅魔女と出会った場所にはもう誰もいなかった。


生活していた、という形跡もあまりない。


もしかしたら移動してから結構時間がたっているのかもしれない。



「とりあえず草原に向かうべきかな。

蒼魔女は途中で…っ!」



誰だ?


今までは誰の気配も感じなかったのに。


一瞬で現れた。


ということは。


魔女、か。