「わかったんだよ。

僕自身についてさ。」



ちゃんと年相応のことを考えられて良かった。


本当に、僕はただ面白いことだけに興味を持ち続けて一生を終わらすんじゃないかって不安だったから。


その時はそれでいいと思っていたから。


今だから言えることなんだろうけどね。



「サイリへの気持ちに気付いたのね。」


「何故知っている!?

やはりお前がストーカーの犯人かっ…!?」


「ストーカーって私のことを疑ってたの!?

そんなことしてないわよ!!

そもそも貴方がそんなめに合っていたことも知らないわよ!!」


「実際僕も知らないしねー。」



ズサッとこける音がして足を止めた。


すると虎…トラが転んでいた。



「今虎って言ったでしょ。」


「言ってない。

思っただけだよ。」



心外な。


僕がそんなヒドいことを言う訳ないじゃないか!



「すごくツッコみたいセリフを心の中で言われた気がするわ…」


「気のせいだよ。

きっと歳のせいだね。」


「それ、まったく関係ないし、歳でもないから。」


「そう。

それでトラお婆ちゃんは何故僕がサイリのことを好きだって知ってるのかな?」


「………」


「………」


「………」


「………はぁ

これだからガキは。」


「さっきと言っていることが違うわよ!?」



ちょっと遊びすぎてしまったかな?


つい、面白くて止まらなかったんだよね。



「で、何故?」


「見てればわかるわ。

表情の観察は得意だから。」



リーシィにもきっとわかっていたはずだよね。


みんな恐ろしいな。