ごめん、リーシィ。


僕は君に嘘をついた。



「リーシィ、ありがとう。」


「改まって何を言ってるのよ。」



またね、と笑うリーシィに背を向けた。


僕はもう戻らない。


今から向かうのは戦場だ。


紅魔女の頂に会えればいいが、きっともう無理だろう。


準備も最後の段階に進んでいるだろうから、紅魔女だけではなく、他の魔女にも会えないだろうな。


目が覚めたらいきなり世界が変わっていて。


性格上慌てたりなんかはしなかった。


だけど、襲われて、逃げて。


倒れてしまった僕を迷いもせずに助けてくれたリーシィ。


本当に感謝している。


リーシィだけじゃない。


彼女の両親も。


見ず知らずの僕を受け入れてくれた。


護りたい。


みんなを。


自分の力を最大限につかって。


サイリ。


無事戦争を止めることができたら、その時に伝えるよ。


僕の真実を。


僕に初めて芽生えた感情を。


その時には妻を持つ身になっているかもしれないけど、それでも。


きいてくれたら嬉しいな。


あーあ、僕、こんなキャラじゃなかったのにな。


仕方がない。


でも、やっぱり僕は僕だから。



「戦争なんて面白そうなもの。

見逃す訳にはいかないよね。」



護るけど、面白いことのためならなんでもしてしまうから。


きっと僕は、どこまでも突っ込んでしまうだろうから。


だから、ガラでもなくまた会える日を祈るよ。


…声が震えていたのは、気のせいだ。