紅蒼ノ魔女(仮)

「僕さ、君にききたいことがあるんだ。」



面白ければいいって思ってた。


だから、何かをすごく気にする、ということをあまりしなかった。


それは僕自身に対してが一番強かった。


周りよりも更に、自分を気にしていなかったんだ。


だから、自分の過去を、記憶を。



「ねぇ、僕の父さんと母さんは…

シェトとミィハはどこにいるの、ネミア。」



なくしていたとしても、気にしなかったんだ。



「……っ!!」


「僕がこういう性格だから、楽だったでしょ?

何故記憶がないのかも、聞かれずにすんでいた訳だし。」



僕には記憶がない。


学校に行って、勉強をしていた記憶はある。


最近の記憶はある。


だけど、いつからかまでの記憶がまったくない。


しかもいつからかまでが、いつだったかもわからない。


よく考えれば、何故一人暮らしをしていたのかもわからないのだ。


そして、トラについても。



「隣のお姉さん、僕は普通にそう言ってた。

だけど君はいつからあの家にいた?

当然のように僕の知り合いになっていた?」



わからない。


いつの間にかそこにいて、いつの間にか僕の家に入り込んでいて。


そこもおかしい。


鍵はしっかりと戸締まりしていたのに、何故入り込めた?



「君は、隠していることが多すぎるよ。」



はぁ。


これに最初から気づいていれば、もっと早くに真実に辿り着けたよね。


まったく、自分の性格が面倒だと思ったのは初めてだよ。



「…話すわ。

もともと隠し通せるとは思っていなかったし。」


「そうだよ。

本当のことを全部話しなさい。」


「わかってる。

…私はミィハ様につかえてた魔獣。」



各魔女の下には魔獣がついていた。


私もそのうちの一匹よ。


紅魔女の頂であった、ミィハ様につかえていた。


その時はもちろん、紅魔女と蒼魔女は敵対した。


ただそれは表面上だけで。