『平成の切り裂きジャックがまた犯行に及んだもようです。今回の犠牲者は…』


テレビの中の人が機械的に事件の内容を話している。
恐ろしいことを言っているハズなのに淡々した口調で話すアナウンサーに少し気味悪い感情を抱きつつ私は朝食を口にしていた。


サクッ。
トマトにフォークを刺すとドロリと赤い中身がお皿に伝わった。
それを見て少し微笑む。
赤い色はやっぱり綺麗だ。


『今回の犯行で犠牲者は4人になりました。警察も必死の捜査を行っていますが今だ犯人の目星はついていないとのことです』


警察は何やってんだ。

トマトを口して今だ犯人の目指しもついていない警察に眉を寄せる。
でもいったい犯人はどんな人なんだろうか。





平成の切り裂きジャック と呼ばれるこの殺人事件は、先月私が住む市内で一人が女子高生が腹を切られ内蔵をぐちゃぐちゃにされたまま殺されている遺体を発見されたことから始まった。

それからも犯行を続き犠牲者は4人にも及ぶ。

どの遺体にも共通するのが…

腹を切らその中身をぐちゃぐちゃされているということだ。
またどの犯行も私の市内で起こっている。

犠牲者は最初が女子高生。
二番目は男性教師。
三番目は男子学生。


そして…

画面の向こうで見かけたことのある顔が今回の犠牲者として映し出されているのを飲みこんだトマトを戻しそうになりながら見つめた。

四番目は隣のクラスの加藤皐ちゃんか。