待ち合せ

里香を見ると、声を出さずに泣いていた。

おいおい。

バスの中で泣くなって。


誰も気づいていないからいいけどさ。



彼女の視線の先にはカップル。
それもたくさん…。

家族だっていた。



「私もっ!浩幸と今年もあんな風にイルミで綺麗な街を歩きたかったよ…。」



あ…。


そうだった。






俺、昨日死んだんだった……。