まずはじめにあたしの自己紹介をしておこう。


あたし--青山美綺・16歳。高校生。
まだ1歳にも満たない頃、両親に・・・捨てられた。
今は養子としてこの青山家に住んでいる。
父はあたしの本当の両親と知り合いらしく、今でも面会があるらしい。
でも、会わせてはくれない。
「大人の事情だ。」とか言い出す始末。
高校生になるとき、初めて知らされたその事実はあたしにとって衝撃的だった。
いろいろ聞き出そうとしたけど、教えてくれたことは『美綺』という名前は本当の両親がつけてくれたということだけ。
だからあたしは両親のことを何も知らない・・・。


とりあえずあたしの紹介はここまで。
あとは折々話します。



「おはよーーー!!美綺っ!」
「おはよ。亜実。」

亜実--松坂亜実・16歳--はあたしの幼なじみ。
ご近所さんだから昔からよく遊んでいる。
そして亜実は唯一、あたしの事情を知っている。
そしてあたしが、

「あーーっ!そーいえば美綺、さっき3年の、宮田センパイが美綺のこと呼んでたよっ♪」
「・・・面倒くさっ」
「まぁまぁ。いいじゃん。結構モテるんだよ?宮田センパイ。どうしても嫌だったら、いつものようにしてくればいいじゃん。”彫刻の姫君”さん♪」
「・・・絶対、おもしろがってるでしょ。」

---彫刻の姫君と呼ばれるようになった、”無表情”を突き通すようになったのかも。