1ミリのキセキ

知恵を司る者「彼は自ら悪しき者になろうとしたのではありません。
生まれ変わりを恐れる心が負の力を呼んでしまったのです。
悪しき者はもうあの男ではなかったのです。
しかし消えてしまった今
彼が輪廻転生の流れに再び現れることはないでしょう。」


神様「では、私があの男の願いを叶えていれば。」


知恵を司る者「仕方ありません。
彼自身悪しき者になった記憶もありませんし。
悪しき者になった時点で
彼の魂は消えてしまっていました。
だから私たちが悪しき者に矢を向けてしまったことも致し方ないのです。」