1ミリのキセキ

私たちと五百万は交換だった。


私たちは正直なところ誘拐されてても
普通の女の子の生活みたいだったから
いっそこのままでいいと思ってた。



でも、とうとう取引の日になった。
その日は雨が降り続く薄暗い空模様だった。


取引場に向かう途中…。


雨で道路が濡れていたせいもあって
車はカーブを曲がり切れなかった。


ガードレーヌにぶつかったと思った瞬間…


車は空中に放り出されてた。


思うように身体が動かなくて。