「硝子~~~~!!昨日約束したノロケ聞かせてあげる♪」

「結構です」

 今日は私がばっさりと切り捨てた。

「え~~~聞いてよぉ!!聞いてくれたら、アイスおごってくんなくてもいいからさぁ」
 いつもはこんなキャラじゃない阿木も、今日ばかりは幸せそうな顔をして、完璧に乙女になっている。
 ていうか、阿木って恋愛に興味あったっけ?

 根本的な疑問を抱いた私には目もくれず、一方的にノロケ話を始めた。

「ね、昨日ね!!翔と二人で家デートしたの!!でさ!翔って一人暮らしだから家で二人っきりだったんだよぉ」

 う。

 さすがに親友とはいえ、恋愛に興味が無い私にはこんなノロケ話をされても不快でしかない。

 でも。

「でね、やっぱり“そういう”展開になっちゃったわけよ」

 “そういう”って“そういう”??
 ××の続きみたいな??

「誰も家にいないから、気兼ねなくできたさぁ」

「そ、そういうって??」

 いくら恋愛に興味が無いとはいえ、私も思春期の女の子。
 “そういう”ことには興味が無いわけじゃない。

「あ、聞いちゃう??」
「うん」

「翔はね……」