キーンコーンカーンコーン♪

 チャイムが鳴るまでの約20分間。
 例えるなら“地獄”がふさわしいと思う。
 

 私は会長のターゲットにされたみたいで、何かあるごとに小言を言われた。

「硝子ちゃん、お疲れ様」
「あ、副会長!お疲れ様です……」

 ホントに“お疲れ”ですよ……
「硝子ちゃんの場合、本当に”お疲れ様”だったね」

「おい、沙羅来!!何やってるんだ」

 あ、忘れてた……終わったけど…会長はまだ居たんだっけ??
 まあ疑われるのも無理は無い。
 会長に隠れるようにして二人で話していたのだから。

「俺の悪口か???」
「うん」

 ちょっ、沙羅来さん!?

「お前もか??」
 いえいえ……滅相もございません!

「そうだよねぇ~~~、硝子ちゃん♪」
「副会長!!!」
 ちょっと!沙羅木副会長!私を巻き込まないで下さい!!!

「仕方ねぇ……お前はいつものことだ。さっさと失せろ」
「はいは~~い♪硝子ちゃん、ドンマイ!」
 ブイサインをしながら生徒会室を出て行く副会長。

「お前もさっさと出てけ」
 もう一人の生徒会メンバー、庶務の坂口くんに向かって言葉を叩きつける。

「はいはい……」
 やれやれっていう感じで首をすくめながらもおとなしく出て行ってしまった。

こういう無茶苦茶な出来事、すっごく日常的になってきてしまった。
 でも……会長がすっごく睨みをきかせている。

「私、何かしましたか?」
「で……」
 私の質問を無視して勝手に話を始める会長。
 ただ、かなり顔が怖い。

「は、はいぃ」
 今にも消え入りそうな私の返事。