私を見つめてニコニコと微笑む彼の顔は、男らしい……というよりも、どこか少年のようなあどけなさを感じさせていた。 まあ、簡単に言うと……イケメンである。 「紫乃さん」 「あ……えっと、はい」 「貴女は可愛らしいですね」 「はあ……」 なんなんだ。 この教師は。 訴えられるぞ。 懲戒免職だぞ。 ……なんて、チキンな私は口に出せるはずもなく。 私たちは、ただ見つめ合うだけという素晴らしく無駄な時間を過ごしている。