「私のことを、覚えていますか?」 「……え」 予想外のことを聞かれ、私の脳内は軽くパニック状態だ。 覚えているかと聞かれても、この教師に見覚えはない。 どこかで会った記憶もない。 「覚えて……ないのですね」 一瞬、寂しそうな顔をした彼だが、すぐに笑顔になり私の頬を触った。 「相変わらず、綺麗な顔立ちをしていらっしゃいますね」 「いや……ちょっと……」 教師が生徒に、こんなことをしても良いのだろうか。