「あずさー!おんぶー!」 「くだらない。早くして」 「もう、冷たいな」 私が立ち上がったと同時に、あずさが歩き出す。 この感じが、好き。 女子は群れて行動する。 私はそれが得意ではない。 しかしあずさは、さっぱりしているから一緒にいてすごく楽。 「5限、英語で辞書使うらしいけど、紫乃持ってきた?」 不意にあずさが私に問う。 「えっ!?辞書、使うの!?」