でも。 遅刻して、先生に怒られても、意識はどこかに飛んでるような変なかんじだった。 『ん?』ってしたときの先輩の顔の近さ。 あたしに向けた笑顔。 大きい口から見えた、控えめの八重歯が先輩の笑顔をより引き立たせてた。 …かっこよかったな。 先輩の新しい一面を知れたことで、自分の馬鹿さもそんなに落ち込まないですんだ。 やっぱりあたしは単純なのかな。