まだ、心臓がドクドク言ってる。



“ナナちゃん”



啓太せんぱい。
あたしの名前知ってた。

始めて聞いた啓太先輩の低い声を思い出す。



「…いたい……。」


啓太先輩の声と笑った顔を思い出すと、胸が痛くなる。



あたし、やっと分かった。