「ナナ、啓太?」 桃ちゃんの声にハッとした。 目があっていたのはたった、数秒だったと思う。 けれど、ものすごく長く感じたのはきっと気のせいかな。 「今度、会ったときは もっと話そうな!」 啓太先輩はそう言ってまた、笑顔を見せてくれた。 「…はい!」 もしかしたらぎこちなく見えたかもしれないけど、精一杯の笑顔で返事をした。 今日だけじゃないんだ。 『今度』があるんだ。