陽平は結構目立つ部類だと思う。 さっきから誰かとすれ違う度に、「カッコイイ」なんて声がちらほら聞こえる。 チラッと横目で陽平を見ると、本人は聞こえているのかいないのか、堂々と歩きながら鼻歌まで歌い出す始末。 陽平がモテようがあたしには関係ないけどね。 渡り廊下を歩くあたし達の目線の先に部室が見えてきた。 「おーい!ナナー!!」 あたしに気付いた桃ちゃんが大きく手を振る。