学校生活にも慣れ始めた、5月。 桜も散り、鮮やかな緑色の葉が太陽に反射して、眩しさを放っている。 友達も増え、あたしはそれなりに高校生活を楽しんでいた。 こうして平凡な毎日が過ぎて行く中で、 あたしは未だ名前も知らないあの人の、あの日見た姿を忘れることが出来ずにいた。