「きゃっ…。」 ぶわっ、と春風があたしの真横を通り抜けた。 そして。 ふと、グラウンドに目を向けた瞬間。 …ッドクン。 黒いタンクトップに赤い短パン。 短い髪がサラサラとなびき、ひたすら前を見て颯爽と風のように走る彼に、あたしは釘付けになった。