洗面所から戻り、さっぱりとしたあたしの頭の中はすでに朝ご飯のことに切り替わっていた。 「お母さーんっ。お腹すいたぁ」 「はいはい、 ご飯くらい自分でよそいなさいよ」 そう言いながらも、なんだかんだ母はよそってくれる。 炊きたてのご飯、お味噌汁、出汁巻き玉子、焼き魚。毎日食べていても飽きないくらいあたしは母の作る料理が大好きなんだ。 「しあわせー…」 玉子をパクッと一口食べて呟くあたしを見て、母は微笑む。 「大げさな子ね~」 だって本当だもん。