返事をする時に声が裏返らずにすんだあたしは、緊張の糸が切れ眠さに耐えながらも教育委員会の偉い人だとか、校長先生だとかの無駄に長い話を聞いていた。 なんとか無事に入学式を終え、担任らしき先生連れられ、教室に向かう。 『1組』 そう書いてある教室に足を踏み入れた。 規則正しく並んだ机と椅子。黒板には『入学式おめでとう』の文字。そして教室中に広がる新しい木の匂い。 番号のふられている机にそれぞれ向かう。