病院につくと、入口に自転車を乱暴に放置し、急いで受付まで走った。



「現在、手術中の櫻井さんはどこに…?」

大和はなれない敬語で必死に訴えた。



「こちらです!!」

受付の人は急いで案内してくれた。



自転車から降りた時からずっと、大和の左手は友里の右手をにぎっていた。


手をつないだまま、2人は手術室前の椅子に腰をおろした。




しばらくの沈黙のあと、友里が口を開いた。



「大和先輩、話、聞いていただけませんか?」


大和は静かにうなづいた。