「それが、てめぇが幕府方や志士を殺す理由か」

ギリッと歯噛みする平助。

椿は闇の中に聞き耳を立て。

「そこかっ!」

人外の声のした方向に突進する!

得意の右片手一本刺突!

しかし。

「ひゃはははははっ!」

人外は椿の刺突を回避し、建物の屋根から屋根へと跳躍してその場から逃げ去る。

「同族同士でさえ一枚岩になり切れない愚かな人間なんぞに、俺が殺られるもんかよ!」